教育理念(女子教育の意義)

私たちの学園は、平成22年度に創立95周年を迎えました。大正4年、名古屋市東区葵町の地に産声を上げた名古屋女学校の生徒数は、わずかに26名。それが現在、中学校・高等学校・大学・短期大学・大学院・付属幼稚園を擁し、児童・生徒・学生総数6000名を超す女子の総合学園へと成長しました。創立者越原春子は学園訓を「親切」と定めました。往時、社会の中ではむしろ隷属的で、決して恵まれた環境になかった「女性」の、人間性の陶冶と技術教育の振興を目標とした春子は、その高邁で骨太な建学の精神を「親切」という平易で簡素なことばに凝縮したのです。以来その精神は、時代が変わっても学園の中に脈々と受け継がれ、今日に至っています。

21世紀の社会では、春子が熱望した女性の社会進出は、さらに速度を速めて推進されるでしょう。それは、単なる女性の社会進出にとどまらず、女性が女性としての豊かさや個性、特性、人間的な資質などのさまざまな良さを限りなく活かして、社会に役立てていく、あるいは社会を創り出していく時代の到来とも言えます。女性としてのものの見方や考え方、感じ方を、変化する社会の中で主体的、創造的に活かし、その上で自己実現を図っていくことのできる人の育成が大きく期待されているのです。

私たちは今後も、社会情勢や経済的な事情に左右されることなく、ひとすじに女性を見つめ、積極的・意欲的に女子教育に取り組んでいきます。私立学校の命ともいえる建学の精神を守りつつ時代の要請に応え、一人ひとりの良さを大切にしつつ周囲と協調し愛される人となれるよう、教え育んでいきたいと考えています。

学園訓「親切」

本学園の学園則(親切)の精神は、他人に対する思いやりの心であり、かつ、自分をとりまくすべてのものを大切にし、それを活かす心であります。本学園では、生徒に対する教師の(親切)とは、頭脳・身体・精神を鍛錬することによって、生徒一人一人の素質を十分に開発し、それをしっかりとした”力”としてゆくことだと考えています。また本学園は名古屋女子大学総合科学研究所との共同研究を進め、生徒の学力の一層の向上を図っています。

校章の由来

天照大神(あまてらす・おおみかみ)が、子孫に伝えた三種の神器の1つ「八咫(やた)の鏡」をかたどり校名の頭文字を入れたもので、本学園の鏡のごとく清らかな人づくりの教育と、優美な日本女性を象徴しています。